帰国編「THE WAY− Vietnam✖️ Singapore ✖️ Japan」

海外での経験を生かし、日本帰国後もさらにパワーアップして輝く女性を紹介する「THE WAY 帰国者編」。


今回ご紹介するのは、これまでにベトナムで4ヶ月間、シンガポールで8ヶ月間働いた経験をもつ田計公子(でんけい・たかこ)さんです。食品卸業や人材育成事業を中心とした会社を経営しています。


学生時代はフワフワと何も考えずに過ごしていたという公子さんですが、海外経験を通して、働き方はもちろん、もっと根底にある生き方までも揺れ動いたのだそう。


日本からほど近いASEANの2カ国で、一体どのような経験を積まれたのでしょうか。ベトナムやシンガポールの暮らし、働き方、そしてそこで得た学びについて聞きました。





新卒1年目でベトナムへ。心の支えとなったものは?



公子さんは現在、3社の代表取締役と1社の役員として、計4つの会社を経営しています。キャリアのスタートは、ベトナムと縁のあるお父様が現地のオーナーと共同出資で始めたレストランの立ち上げ事業でした。


それまでの公子さんは本格的に飲食業界で働いたことはなく、レストランの立ち上げも未経験。「日本人というだけで先生になれる!」と父から説得され、先にベトナムで働いていた弟さんを頼りに、首都ハノイへ向かったのです。


ベトナムで公子さんに任された仕事は、主にレストランで働くベトナム人スタッフの接客指導でした。ベトナム語は話せませんでしたが、現地の方に通訳してもらい、掃除や配膳は自分がやるのを見せたり一緒にやったりしながらボディランゲージを駆使して試行錯誤したのだそう。


しかし、いざレストランがオープンすると、想定外のことばかり発生します。


例えば、オープン当初には、ベトナム人オーナーが招待した政府関係者が次々と来店し、挨拶や接客を任されました。日本人スタッフによる接客が受けられることはそのレストランの格を上げたからです。


「オープン当初から目まぐるしい毎日でした。各自インカムを耳に装着していましたが、言葉ができないばかりにうまく指示を出せず、5階建てのレストランの階段を、裸足で上から下まで走り回ったことを覚えています」


慣れない環境と初めての仕事に疲れ果て、脚はいつもこむら返り。ヤモリが壁を這う部屋の中、蟻が大量発生した地獄ベッドに倒れ込んでいたのだそう。


そんな公子さんを救ってくれたのは、ベトナム人オーナーの「公子はMade in Japanだからね」という一言でした。


「当時、ベトナムではMade in Japanはもっとも信頼のおけるブランドというイメージでした。自分のやっていることに不安ばかり感じていたので、そう言ってもらえたことで初めて自信をもつことができ、とても嬉しかったです。自分を強くしてくれた言葉として、今でも時折思い出します」

ベトナム時代を一緒に過ごした弟さんと

ベトナム人に学んだ、人との温かい繋がりと東南アジア根性


レストランで働くスタッフの多くは、ハノイから遠い田舎出身の女の子たちです。月に10,000円程(当時)の給料を貰い、そのうちの約8割を実家に仕送りします。毎月、仕送りのお金をもってバスで実家へ帰るのを楽しみにしていました。


彼女たちのなかには貧しい家庭環境で育った子も多く、家に屋根がないので雨の日は立ったまま寝るという子や、瓶ビールの開け方を知らない子もいました。そういう小さな出来事のひとつひとつが、「当たり前が当たり前ではない」と公子さんに気づかせてくれたのです。


「頑張っているスタッフの一人をネイルに連れて行ったらとても喜んでくれて、次の日、お礼にお菓子をみんなの分まで買ってきてくれました。家族への仕送りを差し引いたら決して贅沢できないはずなのに、全然ケチじゃない。その姿を美しいなって思ったんです。私にも同じことができるかな?とも考えました」



ベトナム人スタッフの子と一緒に


当時のハノイはちょうど50年前の日本のようで、家族でなくとも、スタッフのみんなは本当の家族のように支え合います。嬉しいことは共有し、お姉さんは若い子たちを本当の妹のように守る。そんな温かい人々の繋がりを見て、公子さんもそんな人でありたいと思うようになりました。



ハノイの庶民の味!路上屋台


「加えて、私は『東南アジア根性』って呼んでいるんですけど、ベトナムの人は何でも言うだけ言って、怒られたら舌をペロッと出して、『じゃあプランBで!』とケロッとしていて(笑)。私もダメ元でも言うだけ言ってみる心の強さは見習っています」


人に迷惑をかけたらいけない、できることは全部自分でやらないといけないと思いがちですが、人に頼ること、自分の思いを強くプッシュすることも大切だと学びました。





シンガポール流「Hard Work, Hard Play」の生き方


2011年、公子さんが働く食品会社はシンガポールバブルに活路を見出し、現地の日本食レストラン向けに日本食を卸す新規ビジネスを立ち上げることに。公子さんは、視察を兼ねてシンガポールへ派遣されます。





淡路島ほどの大きさであるシンガポールには、当時700軒弱の日本食レストランがあり、外国食ではダントツの店舗数でした(2番目に多いイタリア料理店は約120店舗)。そのため、大手企業を含め、多くの企業がこぞってシンガポールに進出していたのだそう。


公子さん達は、コネなし、計画なし、資金なしと、全くのゼロからのスタートでしたが、現地でパートナー企業を見つけ、老舗高級ホテルとの取引開始にまでこぎつけます。


「物価が高いシンガポールでは、日本では300万で買える保冷車が1,000万もするんです。資金力のある大手企業には敵わないから、私が勝負できるのは人と人との繋がり。いろんな人に紹介してもらい、たくさん助けてもらいました」


結果として、取引開始の口座開設ができたタイミングで日本へ帰国することに。実際にビジネスするまでには至りませんでしたが、突破口をひとつ自力で開けることができました。



シンガポールでお世話になった日本人の方々

「シンガポールでは、プライベートでもたくさんの学びがありました。現地の銀行員たちと仲良くなったのですが、彼らは数カ国語を操り、いろんな経験をしていて。私にとってはハードルが高いことでも難なくチャレンジしてクリアしていくんです。彼らと過ごすうちに、もっといろんなことを経験し、いろんな人と出会いたくなりました」


彼らは皆、平日はよく働きよく学び、休日になると派手に遊びます。公子さんも週末にはボディコンを着て、クラブに通っていたのだとか! 帰国後も「Hard work, Hard play」精神で、何事にも全力投球しています。



海外経験で得た「体当たり精神」


海外経験から、公子さんは何事も体当たりで取り組む強さを学びました。


「それまでの私は自分に自信がないばかりに静観していることが多かったのですが、海外経験を経てからは『今、私にできることは何だろう』と考えるようになったんです」


どちらの国でも未経験のことに立ち向かい、もがき、乗り越えたり限界を見たりしながら、チャレンジすることの大切さを実感してきました。


「例えば海外の人と話すとき、恥ずかしさや自信のなさ、アホに見られたくないという見栄があって、上手じゃない英語を話すことをためらっていました。でも、自分から話しかけないとひとりぼっちのままなんですよね。それに、『仲良くなりたい』って言われたら嬉しいじゃないですか」


公子さんは「今でも英語は全く話せない」と言いますが、どの国の人ともすぐに仲良くなってしまいます。それは、間違いや失敗を恐れず、「伝えたい!」という気持ちでコミュニケーションをとっているから。コツは「とにかく身振り手振りで頑張ること」だそうです(笑)。


公子さんのfrewell partyで、ゴールドマンメンバーと一緒に。

縁の深いベトナムとの新事業。技能実習生に「安心できる家」をつくりたい


公子さんは今年、新たなビジネスを始めようとしています。それは、ベトナムからの技能実習生を受け入れる研修施設の運営です。


技能実習生は、来日してから派遣先企業で働くまでの1ヶ月間は研修施設で過ごさなければいけません。ベトナム人実習生にとって、不安が多い日本での新生活。派遣先企業から逃げ出してしまう実習生も少なくなく、なかには目を覆いたくなるような危険な場所で不法就労する人たちもいるのだとか。


そんな人たちが一人でも減るよう、公子さんはいつでも帰ってこられる、安全な場所をつくりたいと考えています。


「今は私についてきてくれる社員もいるし、彼らの夢や人生を預かっているという感覚もあります。コロナで計画が思うように進まないこともありますが、そういう時こそ前を向いて、普段できない資格や許可の取得に取り組んだり社内制度の整備に目を向けたり、前向きに取り組んでいます」


交通量の多いベトナムの街並み

公子さんは海外生活で辛いとき、いつも心の中で大事MANブラザーズの『それが大事』を口ずさんでいたそうです。


「負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと。ダメになりそうなとき、それが一番大事」


社員が働きがいを感じながら働ける職場や、技能実習生にとって安心できる場所を全力でつくろうとしているのは、海外経験を経て、公子さんがより強く優しくなったから。公子さんの今後の活躍がますます楽しみです!


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Women can fly.


Much love, xxx

Team WCF



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