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「オーストラリアにはチャンスがあふれている!輝く女性 座談会」

無限のチャンスの拠点としてのシドニーの魅力は、成長の可能性に満ちた都市として、彼女たちの心に強く響き、その活気を際立たせている。オーストラリアで得られる多様なチャンスについて、その彼女たちの努力から読者も何かオーストラリア留学・就職でのヒントを得てくれることを希望する。それでは、記事をお楽しみください。

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こちらの記事はオーストラリアの日系メディア日豪プレス2024年3月号の特集記事「オーストラリアにはチャンスがあふれている!輝く女性 座談会」(日本語記事)に掲載されたものです。 原文(日本語)をご覧になるためには下記のリンクよりご確認ください。


日豪プレス(https://nichigopress.jp/)

日豪プレス様 原文 (https://nichigopress.jp/topics-item/101985/) —---------------------------

オーストラリアでは、数多くの女性が日本とは異なる文化、環境の中、仕事を見つけ活躍している。そこで今回は、シドニーを拠点に活躍する女性に集まってもらい、オーストラリアでの生活やキャリア、仕事とプライベートの両立の仕方などについて語って頂いた。キャリアも経験も異なる3人の女性のライフ・スタイルはどのようなものなのか――。さまざまな分野でグローバルな飛躍を目指すに人にぜひ読んで頂きたい。

(撮影:クラークさと子、監修:石井ゆり子)


フォーサイス伊織(Iori Forsyth)


2013年QLD州の大学を卒業し、QLD州政府駐日事務所で商務官として8年勤務。21年にシドニーに拠点を移し、オーストラリア貿易投資促進庁(Austrade)で教育分野を担当し、日豪関係のスペシャリストとして活動。現在は豪日経済委員会( AJBCC)に勤務。家族と共にYouTubeチャンネル「大家族フォーサイス家」を運営している



會澤貴美代(Kimiyo Aizawa)


公益財団法人都市活力研究所で観光PRのインバウンド関連の仕事に従事し、2018年に来豪。日系ウェブ・メディア、IT企業に勤務する傍らビジネス・スクールに通い19年11月、女性・留学キャリア支援プラットフォーム「WomenCanFly.Co」を設立。主にオーストラリアへの留学サポート全般、企業PR事業を行っている。NSW州豪日協会(AJS-NSW)理事



佐々木絵梨(Eri Sasaki)


日本で大学を卒業し、シドニー大学の大学院に進学。卒業後、オーストラリアの広告会社やソフトウェア会社に勤務。その後「Amazon Alexa」でデバイスのプログラム・マネージャーを担当。現在は、オンラインで使用できるオーストラリア発のグラフィック・デザイン・ツール「Canva」でプロダクト・マネジャーを務め、翻訳ツールの開発などに携わる




―現在シドニーを拠点に活躍する3人の女性たちにお集まり頂きました。まずは来豪までの経緯など、自己紹介をお願いします。


會澤:日本では、産業活性化の公益財団法人で観光プロモーションのインバウンドの仕事をしていました。海外の方々を迎えるにあたっての業務に携わっていたのですが、業務を遂行する中で実際の外国人のニーズを知りたいと考えるようになり来豪しました。来豪した当初はシドニーのウェブ・メディアの会社で、オーストラリアの方々にラグビーW杯やスキーの旅行先として選んで頂けるよう、日本をPRするアウトバウンドの仕事に従事しました。その後、ビジネス・スクールに通いながら私と同じような状況の学生を支援したい、日豪の関係をサポートしたいという思いから、オーストラリアで起業しました。国家間のギャップを埋めて、両国を相乗効果で支援できるように、留学生や企業のPRをサポートしています。現在は、オーストラリア留学の全般サポート、そして、オーストラリアで日本製品、ビールのポップ・アップなどPRイベントの開催やマーケテイングをオーストラリア市場向けに支援しています。起業時は、シドニーでさまざまなスタートアップ・プログラムに参加するなど、オーストラリア国内の方々に多く支援して頂き、その経験から地域還元も兼ねて日豪協会の理事を兼任し、日豪間に関するさまざまなビジネス・ネットワーキング・イベントも開催しています。


佐々木:小さいころから中国やシンガポールに滞在、大学進学時には日本を拠点にイギリス留学をするなど海外での生活に慣れ親しんでいました。そんな中、日本の大学に入った際に「何か違うな」と感じ、日本で働き続ける自分の姿が想像できないことに気付きました。周りの友人知人が就職活動をし、さまざまな企業や団体で内定を獲得していく中、私はオーストラリアの大学院に進学して仕事を見つけ、永住するという目標を立てました。最初は、QLD州の大学で観光について学ぼうと考えていたのですが「ビジネスを幅広く学んだ方が、後々仕事を見つける際に選択肢が増えるのでは?」という親のアドバイスがあり「確かに!」と思い、総合的に考えシドニーだと雇用も多いし、大学としてのレベルも申し分なかったので、シドニー大学のビジネス・スクールへの留学を決めました。マスター・オブ・コマースという2年間の修士課程を終えた後、卒業ビザをもらえたので、そのまま現地で就職しました。転職が盛んな国ということもあり4社目となりますが、今はCanvaでプロダクト・マネージャーをしています。


フォーサイス:いろいろなことをしているので、肩書というと難しいのですが、“日豪スペシャリスト”として活動させて頂いています。幼いころから父の母国であるオーストラリアと日本を行き来し、日豪の架け橋になるという夢を持っていました。日本とオーストラリアの両国でバランス良く仕事や勉強をしたいという気持ちがあり、2021年にシドニーに引っ越してきました。私の父がQLD州出身なので、日本からオーストラリアの学校に留学した時や進学した大学はQLD州だったのですが、今後のキャリアを考えていく中で、最もオポチュニティーがあるのはシドニーではないかと考えたのがきっかけです。仕事にも恵まれ、7カ月前に長男が生まれて産休を頂いていた間に勤め先が変わりました。産休前までは、オーストラリア貿易投資促進庁で海外からの留学生の促進に関わる仕事をしていたのですが、現在は、豪日経済委員会でより一層日豪の関係に携わる業務に取り組んでいます。また、副業で家族と共に日本向けにオーストラリアの魅力を発信するYouTubeチャンネルを運営しています。私は大家族で弟が7人いるのですが、コロナ禍をきっかけに、日豪の架け橋になるようなYouTubeチャンネルを開設したいという話になりスタートし、この3年間で観光局やさまざまな日本やオーストラリアの会社とコラボレーションさせて頂き、日本にオーストラリアの魅力を発信する活動も行っています。






オポチュニティーの多さがシドニーの魅力


會澤:お二人はQLD州という選択肢もある中、シドニーに来られたのですが、実際に来てみて、オーストラリアの中でも特にシドニーはオポチュニティーが多いと感じたことはありますか。


フォーサイス:私は広島県出身で高校卒業まではいわゆる地方暮らしでした。オーストラリアを訪れる時は、ブリスベンやゴールド・コーストなど都会があるQLD州の中でも少し田舎のサンシャイン・コーストを拠点に育ちました。大学卒業後に上京し、新卒で会社に入り、都会でのオポチュニティーや仕事の魅力を感じ、結局東京で8年ほど働いてからオーストラリアに移ろうと決心しました。その際、QLD州に戻るという選択肢もありましたが、オーストラリアの中でも1番ビジネスのオポチュニティーがあり、東京に似ているという面で、やはり都会に引っ越したいと思いました。メルボルンという選択肢もありましたが、弟が何人か先にシドニーに引っ越していたので、家族がいる場所ということもあり、最終的にシドニーに決めました。後悔はないです。シドニーに来て本当に良かったと心から思っています。


佐々木:私はオーストラリアの別の都市に住んだ経験がないので、なかなか比べるのが難しいのですが、シドニーに引っ越して大学院が終わりそうな時に、少しシドニーに飽きてきた時期があり、他の都市でも仕事が見つかるのか気になり、リンクドイン(LinkedIn)で調べたのですが非常に少なくて……。当時はコロナ禍以前でリモート・ワークが普及していなかったですし、メルボルンでの仕事は少ないと思いました。その時にシドニーのオポチュニティーの多さを身にしみて感じたので、悔いなくそのままシドニーに住み続けました。オーストラリア発の会社で働きたいとなると、やはりシドニーに本社がある場合が多いと思います。Canvaもそうですが、他の大きなテック企業で言うAtlassianもシドニーに本社があるので、そういう方面で経験を積んでステップ・アップしていきたい人にとっては間違いなくシドニーが良い場所なのではないかと感じますね。



ワーク・ライフ・バランスが取りやすい国


フォーサイス:日本とオーストラリアに住んでみて、オーストラリアは、すごくワーク・ライフ・バランスが取りやすい国だと思います。会社の理解もそうですが、子どもを持つ人、家庭と両立したい人、バリバリ働きたい人など、どんな働き方も受け入れられ、それぞれのライフ・スタイルに合わせてバランスを取れるというのが1番の気付きです。特に日本と比べて切実に感じました。


會澤:同感です。オーストラリアは多国籍国家で、多様な生き方をしている人が集まっているので「働き方としてはこれが良い」とか「生き方としてはこれが良い」など、良い意味でモデル像みたいなものがありません。どの選択肢を選ぶのか個人の判断に委ねられているので、たくさん働きたいという人は都会に住み思い切り働いて、海を見ながらのんびり暮らしたいという人は郊外に住みながら、という働き方もできます。自分の理想の生き方を自分で選びやすい点がオーストラリアと日本の1番の違いかなと思います。どちらが良いということではなく、日本では1つの会社に長く勤め30代で結婚や昇給、35歳を過ぎると中間層になり部下が増えていくなどイメージがつきやすいのですが、オーストラリアでは、キャリア・チェンジも含め、3、4社転職したり、逆に1社に長く勤める人もいたり、本当にさまざまなので、「今のあなたのキャリアはどんな感じ?」というように、本人から話を聞かないと、年齢や国籍からキャリアを想像することはできません。キャリアに重きを置くなら、チャンスがあるのはシドニーだと思います。学生や起業家、企業に勤める社会人向けにさまざまなプログラムやセミナーが常時どこかで行われているので、仕事の知識やコネクションが欲しいと思った際、自らそういった所に飛び込みコミュニティーに参加することで、チャンスが広がると言えます。


フォーサイス:自ら探しに行かないといけないというチャレンジングな部分はありますね。日本のように新卒採用の人のレールなどがあるわけではなく、本当に自分から積極的に探し出さないといけないという点では、もしかしたら日本人は慣れていないかもしれません。でも、モチベーションがある人にとっては、本当にいろいろな機会が転がっていると思います。


會澤:待っていても来ないから、転がっているチャンスを自らつかむ必要がありますね。多分、私たち3人は良い意味で「チャンスはどこにある?」という感じで勢いよく行動している方ですね。



「チャンスはどこにある?」と貪欲に


LinkedInは絶対に活用すべき


フォーサイス:私は昔からたくさんの目標があり、その目標に向かっていく際、ロール・モデルとなる人を参考にしてきました。その人たちがどのようなキャリアを築いてきたかを見るようにしています。その際、ツールとしてよく使用するのがLinkedInです。特にオーストラリアの企業で働き、キャリアを築きたいという気持ちがあるのなら、まずLinkedInのアカウントを作るべきだと思います。


會澤:そうですね。LinkedInは絶対に使うべきです。


佐々木:私のこれまでのキャリアは全てLinkedInがきっかけだったので、1番大切なファースト・ステップだと思います。履歴書の書き方も日本とは全然違うので、人に頼ったり聞いたりしてオーストラリア仕様の履歴書を作成することもポイントですね。オーストラリアで仕事を見つけるとなると、オージーに加え移民同士でも競争することになるので、非常に競争率が高くなります。バイリンガルの人もたくさんいる中で、自分にはどんなユニークなスキルがあるのかというのを常に考えながら、それを元に履歴書を作成したり、LinkedInを更新したりして対策すると良いと思います。今やっていることをどのように次につなげていくか、常に自分で考えながら行動していくと自然と強い意志というものが出来上がっていくのではないでしょうか。


フォーサイス:LinkedInはキャリア構築に欠かせないツールですよね。


佐々木:私は大学院に在学中、現地で職歴を付けてフルタイムにつなげていくことをすごく意識していたので、インターンやカジュアルで働いて経歴を増やし、順々にステップ・アップしていきました。大学院を卒業後、オーストラリアの広告会社で働いていたのですが、LinkedInを通して向こうから連絡が来ました。日本語の顧客対応ができる人が欲しいということで入社しましたが、1年弱でソフトウェアの会社に転職し、そこでCanvaとのつながりができ、良い人とのネットワークも増えていきました。2年くらい働いた後に、Amazon Alexaのプロダクトをテストするチームに転職して1年ほど勤務しました。そして、以前から仲良くさせて頂いていたCanvaの同僚にリファーラルしてもらい、Canvaでプロダクトに関わる仕事に就いてもうすぐ2年が経ちます。ネットワークがすごく大事だと感じています。最初から大きな会社で働けたわけではなく、自分の時間をちゃんとうまく使えているか葛藤することもありましたが、オーストラリアで仕事に就いて永住するという目標をずっと持っていたので、頑張ってステップ・アップしていけました。最初の目標を高めに設定しすぎてしまう人が多いかもしれませんが、自分の置かれた環境で経験やスキルを積み、上手く次につなげていくことが、オーストラリアならではのキャリア構築と言えるのかもしれません。転職が盛んなので、そこはすごく大事だと身にしみて感じています。


會澤:転職が盛んでマイナスに取られない点が、日本とは違いますよね。転職するごとにレベル・アップしていく風潮は日本にはまだないような気がします。


フォーサイス:オーストラリアでは、1社に長く居すぎると逆に「何で?」「何かスキルはないの?」と捉えられる場合もあり、2、3年ごとに新しいチャレンジをしている人の方が魅力的に感じるHRの方々がいたりするのも事実だと思います。


會澤:肌感ではありますが、サイクル的には2、3年が多いですよね。


フォーサイス:私は、ずっと日本とオーストラリアに関わる仕事をしたいという軸があり、それにたどり着くには何をすれば良いのか、さまざまなディシジョン・メイキングをしてきました。求人がなくても、オーストラリア大使館や日本にある州政府の駐日事務所、商工会議所など「日豪」「オーストラリア」「ニュージーランド」が名称に付いている所にはとりあえずメールを送りました。QLD州政府駐日事務所の代表から「最初はインターンとして始めて下さい」と言って頂いたのがきっかけですが、結局3日で「雇用します」と言ってもらえ、結局そこに8年いたというのが私のキャリアの始まりです。最終的にはそこでQLD州の教育の担当マネージャーになりました。求人があるかどうかより先に、自分がしたい仕事や入りたい会社などがあるのなら、LinkedInやメールを活用して自己アピールするべきだと思います。日本人があまり得意としていないことだと思いますが、自己アピールする力はオーストラリアではすごく重要です。それはキャリアの始めだけでなく、キャリアを構築していく上で、本当に必要なことだと言えます。8年間日本で働き、次はオーストラリアでの経験も欲しいと思い、中でもシドニーに行きたいと考え、いろいろな人に「仕事を探しています」と話していたところ、オーストラリア連邦政府の貿易投資庁に人を探している部署があると聞き、そこにLinkedInを通して連絡したのが転職のきっかけです。LinkedInや人とのコネクションなどネットワーキングは、今後オーストラリアで働きたいと思っている人にとって本当に重要なポイントだと思います。



インターンやカジュアルで働いて経歴を増やし、順々にステップ・アップが大切



ネットワークとコミュニケーション能力の重要性


佐々木:本当に人と人とのコネクションやネットワークはすごく大切で、履歴書やメールを送るのもそうですが、返事がなくても更にフォロー・アップして、あきらめずにしがみつくというか、どうにかして頑張って反応をもらうというのも大事ですよね。


會澤:コネクションを生かすという意味では、やはり誰かに紹介を受けるということは、その人の信頼を借りることになるので、日ごろから自分が努力していることや、やりたいと思っていることを、つながっている人に分かってもらうのがすごく大切だと思います。「紹介したい人になる」というのがポイントかもしれません。


佐々木:オーストラリアではリファーラルも多いですしね。仕事を見つける際、そこで働いている人にリファーラルしてもらったら、やはり人事からも「この人がお勧めする人だったら良い人かな」と思ってもらうことができ、次のステップに進みやすくなります。そこで信頼を買うというか、會澤さんが言った通り、いかに紹介したいと思わせられるかがすごく大事だと思います。それも自己アピールして自分を売っていくことにつながるのではないでしょうか。本当に良い意味できちんと主張したり結果を出していかないと、チャンスは回って来ないです。


フォーサイス:うまくいけば、さまざまなチャンスが舞い込んで来るので、フットワークを軽く、いろいろな所に顔を出すのもすごく大切ですよね。


佐々木:オーストラリアに移住して思ったことは、やはり英語力を何とかしないといけないという気持ちがすごく強くなりがちですが、移民が多いので、英語がパーフェクトでなくてもいい場所で働けるということです。そういう人がなぜ働けているかというと、やはりコミュニケーション能力の高さなのではないでしょうか。完璧な英語ではなくても、その人と話していると楽しくて、言っている内容もすごく良いことで、もっとその人と話したいと思わせる人は魅力的ですよね。コミュニケーション能力は、勉強だけでは身に付かず、いかにフットワークを軽くしていろいろな人と会って話し、経験を積んでいくかに尽きます。そうすることでより改善されていくため、もしかしたら言語力以上に大切なのかもしれません。オーストラリアに来る人や海外を拠点に活躍したい人は、絶対にコミュニケーション能力を伸ばした方が良いと思います。


プライベートと仕事のバランスの取り方

フォーサイス:私はオーストラリアに引っ越す際、子どもを作ることを見据えてきました。目標とするロール・モデルの方々は、オーストラリアで働いている人が多く、オーストラリアの企業が働く女性や母親に対しての理解が大きいと感じる部分があったことも、移住のきっかけです。フレックス・タイムの働き方を導入している企業がとても多く、私が勤める豪日経済委員会でも、子どもとの予定を優先したフルタイムの働き方をベースとした契約になっているので本当にありがたいです。日本では、そういう働き方をしているロール・モデルが私の周りにはあまりいませんでした。そういう意味でオーストラリアは、働く母親にとって絶好の場所だと個人的に思っています。本当にフレキシブルに対応してくれる企業が多い印象です。


會澤:私の場合、子どもがいないのでワーク・ライフ・マネージメントに重点を置いています。経営者として営業はもちろん、経理なども担いビジネスを前進させていかなければならないため、家庭を大事にしてバランスをとっていくことはなかなか難しい部分がありました。ビジネスを立ち上げてから4年くらいは時間のマネジメントとしてビジネス8割、プライベート2割といった感じでしたが、パートナーが家事などをしてくれていたおかげで、私はビジネスに専念することができました。オーストラリアはライフ・スタイルも多様な国なので、パートナーシップを持ちながら、ビジネスに重きを置くという生き方をしても「パートナーがかわいそう」とか「家のことをしなくて大丈夫なの?」と言われたり思われたりすることはありません。仕事とプライベートのバランスの取り方は自分次第です。オーストラリアだから起業できたのかなと感じています。パートナーのおかげですね。


佐々木:私は、特にCanvaに入ってからワーク・ライフ・バランスが大事にできていると感じます。昨年、仕事が楽しすぎて全然休みを取っておらず、人事部から連絡が来ました。仕事を休むことに対する罪悪感を持つ必要が全くないし、フレックス・タイムもそうですが、子どもがいる人は、お子さんのピック・アップなどで1時間抜けてその代わり他の時間を補うということも普通です。それが当たり前に行われているのが、すごくすてきだと思います。休み中の連絡は見ないという人も結構多くて、みんなそれをリスペクトしています。私がときどき休み中に返信したりすると「休みだから返さなくていいよ」と声を掛けてくれるので、休むことに対する罪悪感が全くありません。「自分のメンタル・ヘルスや健康のためにも、自分の時間をしっかり取ってね」という姿勢を感じることができます。働きながらすごく良いプライベートの時間も取れていると実感しますね。パートナーとの時間についても、できる方ができることをするというスタンスで、家事などは手が空いている方がするのが当たり前なので本当に過ごしやすいです。そういう対等な関係がすごく良いなと、オーストラリア来て感じています。


フォーサイス:パートナーに関して私も本当に同感です。オーストラリアでは、男性の育休の取得なども多いですし、子どものために休むことも普通です。女性だから母親として仕事とバランスを取らないといけないというようなことはなく、女性も男性もジェンダーを問わず働きやすい環境を整え、子どもがいる人はもちろん、プライベートとのバランスを取りやすい働き方を推進している企業がすごく多いですね。パートナーの存在とオーストラリアの社会が見る男女の役割が日本とは少し違います。


會澤:オーストラリアでは、男性でも女性でもできる方がするとうスタンスをどのように家庭の中で取り入れるかは、自分たち次第ということを、社会全体が快く受けとめている気がします。専業主婦でハッピーな家庭、共働きでお互いが50/50の関係、男性が専業主夫になるなどさまざまな形があって「あなたの家庭はどのパターン?」みたいな感じで聞かないと分からないというか、コミュニケーションを取って初めてその形を知り、更にそれが尊重されているように感じます。


フォーサイス:パートナーシップが異性というわけでもないですしね。同性カップルもたくさんいるので、そういうところにも社会の在り方が表れているのではないでしょうか。


佐々木:型にはまっていないですよね。仕事やキャリアもそうですし、プライベートやパートナーシップに関しては本当に自由で型にはまらないのがオーストラリアの良さだと思います。私は他人と自分を比べることがシドニーに来て全くなくなり、それはすごく大きな変化でした。もっといろいろな人にも同じように感じて欲しいです。


キャリアも家族も自分のカタチで築くもの


家族やパートナーシップの在り方


佐々木:オーストラリアは、家族との絆がすごく強くて、すぐにパートナーに家族を紹介する傾向があります。私もお付き合いして1カ月くらいで相手の家族と一緒にクリスマスを過ごしたりしました。すごく良いなと思ったのが、文化の違いが当たり前なので、リスペクトしつつ違うのは当たり前という心意気で過ごせるので、変に気を使わず、オーストラリアの私のファミリーみたいな感じです。日本の義実家というイメージではなく、休みがあるたびに訪れて家族みんなでアクティビティーをしたりします。そういう話を周りでも結構聞くので、家族の存在がすごく大きいと感じますね。


フォーサイス:私の彼もシドニーに家族がいるので、週末に会いに行くなど家族と過ごすことが多いです。私も付き合ってすぐ彼の家族との交流がありました。私は事実婚で、結婚という法律にとらわれない形を取っているのですが、オーストラリアでは、それが普通なので誰も何も聞いてきません。本当に自由なリレーションシップやパートナーシップの在り方だと、オーストラリアに来て実感しています。


會澤:私はすごくトラディショナルな家で育ち、20代で結婚して欲しい、子どもを産んで欲しいという家族の思いがありました。日本に帰るたびに、戻ってきて欲しいと母に泣かれてしまいます。家族の幸せを願いたいし、家族が望むことをしてあげたいという気持ちがある一方、私は働きたい、ビジネスを成功させたいという気持ちの方が強く、家族とのつながりは、本当にトラディショナルな家で育ったからこそ感じることがあります。日本では、同じような境遇で葛藤する女性が多く支援が必要だとひしひしと感じたため、女性の社会進出を支援するビジネスをスタートさせました。もし私が「年齢に関係なく好きなことをどんどんやって欲しい」という家庭で育っていたら、サポートが必要な人がいることに気付かなかったかもしれません。家族やパートナー、子どものことを優先して、自分がやりたいことを犠牲にするのではなく、パートナーや子どもの幸せも願いながら自分のやりたいことができる社会が理想だと日々感じています。


佐々木:パートナーシップといえば、オーストラリアでは結婚していなくても一緒に住んだり家を購入したりするのが珍しくないですよね。私自身、最近婚約したのですが、婚約する前に一緒に家を買い、犬も飼い始めました。日本とは順序が逆ですよね。


會澤:子どもを産んでから結婚する人も多いですね。


佐々木:型にはまらず、相手との信頼関係やリスペクトがあれば、いろいろなステップを踏んでいけるので、周りの友人や知人には、ディファクトのまま家を購入したカップルも多いです。それがすごく良いなと思います。



離れて暮らす家族とのコミュニケーション


フォーサイス:家族とのコミュニケーションで言えば、離れて暮らしているとやはり意識して環境を作り、関係を築かなければ会話などがなくなってしまう状況に置かれますよね。私は大家族で、オーストラリアと日本に家族が散りばめられている状況なので、意識的に自分の国にいない家族とコミュニケーションを頻繁に取るようにしています。そういった意味でも家族でのYouTube運営にたどり着いたと言えます。


佐々木:私自身がすごく連絡不精で、家族や友人に連絡を密に取るタイプではないので、本当に意識的にコミュニケーションを取らないと何も話すことがなくなってしまいます。食べた物や愛犬の写真を送るなど、気軽に連絡して気が向いたら返信が来るというカジュアルな感じでも十分だと思っています。


會澤:すごくお二人に同感で、意識してコミュニケーションを取ることが、海外に住む上でとても大事なことだと思います。日本にいた時は、家族は当然そこにあるものと思っていたので、家族と毎日連絡を取ったりはしていませんでした。でも、こっちに来て当たり前ではないと気付いたからこそ、意識的にどうでもいい話でもあえて連絡するようになりました。多分、日本にいた時よりも密に話していますし、仲も良くなったと思います。友人に関しても同じことが言えます。当たり前と思っていたことが、そこにないからこそ余計に大切にできていると感じます。



――本日はありがとうございました。

(1月29日、シドニー市内で)


原文:オーストラリアの日系メディア日豪プレス2024年3月号の特集記事「オーストラリアにはチャンスがあふれている!輝く女性 座談会」(日本語記事)



Special thanks to NICHIGO press team!

素敵な記事を日豪プレス様、そして日豪プレスチームの皆様、クラークさと子さん、石井ゆり子さん、そして田代明日香さん、本当にありがとうございました。

ぜひオーストラリアで会いましょう

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