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THE WAY of Life in Australia🇦🇺 (JP)キャリアも子育ても諦めない|オーストラリアで働く女性のリアル

WOMENCANFLY.COの連載企画「THE WAY」では、毎月海外で暮らす素敵な女性を紹介しています。


今回ご紹介するのは、KPMG AustraliaのJapan Practice部門で活躍されているAyumi Takakuさんです。


「自分らしく働ける環境を求めて」、日本の商社を離れ、単身オーストラリアの大学院へ。言葉や環境の壁、子育てとキャリアの両立など多くの挑戦を乗り越えながらも、「努力は裏切らない」という信念を胸に、オーストラリアで新たなキャリアのチャンスを掴みました。

本記事では、オーストラリアと日本の働き方の違いや、ネットワーキングを広げるための姿勢、そしてキャリアの転機となった瞬間など、リアルなエピソードをお届けします。


「海外でいつか働きたい」「今の環境を変えたい」そう思っているあなたに、きっと何か一歩を踏み出すヒントを届けてくれるはずです。


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AJBWNの国際女性デーイベントでスピーチ

 

「このままじゃ終われない」 日本で感じたキャリアの限界


大学卒業後、日本の商社に就職したAyumiさん。恵まれた環境で働く一方で、組織の中で感じる「違和感」も徐々に大きくなっていきました。

「当時は一般職としての採用でした。周囲にいる総合職の方々との仕事の質や、将来的なキャリアの幅の違いに気づいてから、“このままでは自分のキャリアが限定されてしまう”と感じるようになったんです。」

総合職の仕事を一部任せてもらえるようになっても、『女性がそこまでやるのはまだ早い』と言われてしまう、そんな環境に限界を感じていました。性別によって無意識に引かれるキャリアの“線引き”に、強い息苦しさを感じるようになっていきました。

組織や制度がすぐに変わらないのなら、自分の環境を変えるしかない。そう決意したAyumiさんは、仕事を続けながら、オーストラリアの大学院への進学準備を進め、キャリアの転機となる挑戦へと踏み出しました。


「自分のキャリアを“自分のもの”として、納得いくように築いていきたいと思ったんです。」

“変化を待つ”のではなく、“自ら動く”という行動が、海外での新たな人生の一歩につながったのです。


「挑戦しておいで」と背中を押してくれた父の言葉に支えられ、Ayumiさんは26歳の時にオーストラリアへと渡りました。そこには、日本の大企業で感じた“打ち破れない壁”を越えるための覚悟がありました。


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渡豪後、最初に迎えてくれたホストファミリーと


 

“縁”が切り開いた、オーストラリアでのキャリアスタート


「自分で行動を起こせば、未来は動く」その言葉を体現するような出会いが、AyumiさんのKPMGでのキャリアの始まりでした。


オーストラリアでの大学院卒業式当日。登壇したのは、KPMG Australiaの当時のAsia部門を統括する方。心を打たれるほど感動的なスピーチだったといいます。「あの瞬間、ただ『お礼を言いたい。』という気持ちがこみ上げて、すぐに名前を調べてメールを送りました」。


その行動がすべてのきっかけでした。後日、その方から返ってきたのは、驚くような一言「卒業生でメールをくれたのは、あなたが初めてです。ぜひ一度会いましょう」。

こうして実現したカジュアルな面談では、Ayumiさん自身の経歴や経験、これから挑戦したいことを率直に語りました。その誠実さと行動力に心を動かされ、こう提案します。

「君のような人のために、新しいポジションをつくろう。」


その言葉の通り、存在しなかったポジションが新たに社内に設けられ、AyumiさんはKPMGのJapan Practiceチームの一員としてキャリアをスタートすることになります。それから10年、今では社内とクライアントをつなぐ重要なブリッジ役として活躍されています。

「機会は与えられるものじゃなく、自分で作るもの。あの時、あのメールを送っていなかったら、今の私はなかったかもしれません。」


感動を行動に変える。それは誰にでもできる「小さな一歩」ですが、未来を大きく動かす力を持っています。


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KPMGへの道が開いた、大学院卒業の日


“やるしかない”と自分を奮い立たせた、挑戦と葛藤の海外大学院時代


26歳で単身オーストラリアへ渡り、大学院でビジネスを学び始めたAyumiさん。行動力と英語力の土台となったのは、実は高校時代から続けていた“日々の小さな努力”でした。

「毎日、ALT(英語指導助手)の先生に話しかけてました。少しずつでも“話す習慣”が自信につながって、オーストラリアに来てからの大学院でも“まず話しかけてみる”という姿勢に活きたと思います。」


けれど、その大学院での2年間は決して平坦な道ではありませんでした。

「もし今からもう一度やるかと言われたら、やらないです。それくらい大変でした。」


当時はまだデジタル化が進んでおらず、毎日重い教科書を抱えて図書館に通い、必要な情報を一つひとつ自力で探す日々。英語での論文執筆も苦労の連続で、少しの文法ミスでも容赦なく減点される厳しい採点基準に苦しみました。


知人のネイティブに長文のエッセイを添削してもらうなど、地道な努力を積み重ねながら課題に取り組んでいたそうです。最終学期はストレスで肌が荒れたほどだったといいますが、「終わりのないトンネルではない」と自分に言い聞かせ、最後まで走り抜けました。

「落ち込む暇があったら、やる。行動し続けていれば、必ず道は開けるって信じていました。」


Ayumiさんを支えていたのは、「やるしかない」という覚悟と、自分を信じる強さでした。

加えて、Ayumiさんが大学院時代に特に意識していたのが「ネットワーキングの姿勢」です。 単に人とつながるのではなく、相手の時間に対する敬意と“自分に何ができるか”というギブの精神を常に大切にしていたと語ります。


「“何をもらえるか”じゃなくて、“自分に何ができるか”。そういう姿勢でいれば、自然と信頼関係が生まれ、思いがけないチャンスにもつながると思います。」

その考えを行動に移し、現地で開催されるキャリア系イベントやセミナーには積極的に参加。将来への投資だと思って、興味のあるイベントにはとにかく足を運んでいたそうです。 その一歩一歩が、自然とコネクションを広げ、後のキャリアにもつながっていくことになります。


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同僚たちと参加したクリスマスファンクションのカヌー体験


「成果で評価される社会」 オーストラリアで見つけた働く女性の新しい形


オーストラリアでのキャリアを10年近く築いてきたAyumiさん。2度の産休と育児を経験しながらも、第一線で活躍し続けられている背景には、「成果で評価される」文化と「柔軟な働き方」の存在がありました。


「“お母さんだから特別扱い”でもなく、“お母さんだから不利”でもない。あくまでパフォーマンスで評価されるのが、すごく健全だと感じます。」


日本で感じたのは、女性のキャリアに“見えない天井”が存在し、努力しても評価に反映されにくいという現実。一方で、オーストラリアは性別に関係なく、成果を軸に評価される社会。だからこそ、出産後も同じポジションで復帰でき、時短勤務などにも柔軟に対応してもらえると言います。


「復帰のたびに“おかえり”と迎えてくれる。その温かさと理解ある文化には、本当に感謝しています。」


また、働き方そのものにも文化の違いがあります。日本では上司から丁寧な指示を受けながら動くスタイルが一般的ですが、オーストラリアでは「自分で考え、行動すること」が求められます。

「受け身では評価されません。どれだけ工夫して、自分から成果を出せるかが鍵。私はその自由度が好きですね。」


出産や育児といったライフイベントを挟んでもキャリアを諦めなくていい環境があること。それは、働くすべての人にとって希望のある未来を描ける社会であることの証とも言えるでしょう。


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 ベビーカーと一緒に完走した City2Surf


「運も努力で引っ張る」—— 行動が未来を変える

これまでのキャリアを通して、Ayumiさんが一貫して大切にしてきたのは、「迷っている暇があったら、まず動く」というシンプルだけれど力強い姿勢でした。

「やる気はケチっちゃダメ。動けば景色は変わる。だから私は、動くことを止めませんでした。」


高校時代には、毎日ALTの先生に話しかけ、英語力の土台をつくる努力を重ね、大学院では現地イベントに参加してネットワークを築き、卒業式ではたった一通のメールがKPMGへの道を切り開きました。


「運も、待ってるだけじゃ来ない。“努力で引っ張る”ものだと思っています。」


その言葉通り、Ayumiさんは偶然をチャンスに変え、自らキャリアをつくり上げてきました。

現在は AJBWN(Australia Japan Businesswomen’s Network )を友人と立ち上げ、これからの働く女性の世代に自分らしいキャリアのあり方を伝えていくことにも力を入れています。


「子育てをしながら働く私の姿が、“こういう生き方もアリなんだ”って思ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。」


何を選んでも、未来は完全に予測できない。でも、だからこそ不安があっても、自分を信じて動いた先にしか、出会えない人も、見えない景色もある。どんな境遇でも、年齢でも、立場でも一歩踏み出す勇気さえあれば、人生は自分で変えられる。


Ayumiさんの姿は、まさにそれを証明してくれています。


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小池都知事来豪時、AJBWNメンバーとして迎えた特別な一日




Ayumiさんの、更なるチャレンジもますます楽しみです。

 

Women can fly. Co (ウーマンキャンフライ)は今後も常に前向きな姿勢で新たな挑戦に立ち向かうAyumiさんを応援しています。

 

 

 

Thank you for reading this, and we are always here for you!

 

Women can fly.

 

Much love, xxx

Team WCF

 

 

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