top of page
  • 執筆者の写真WCF TEAM

THE WAY of Life in Republic of South Africa

更新日:2022年4月1日

WOMENCANFLY.COの連載企画「THE WAY」では、毎月海外で暮らす素敵な女性を紹介しています。


今回ご紹介するのは、南アフリカ在住の吉田舞さんです。もともと看護師だった舞さんですが、ひょんなきっかけから、余った食材を活用してフードロスを楽しく解決する「サルベージクッキング」の公認シェフとしても活動するように。


さらには、南アフリカ共和国出身の旦那さんとの出会いにより、思いがけず国際結婚をし、今から5年前に南アフリカへ移り住みました。


留学経験も語学学校に通った経験もないながら、ただただ興味のあること、好きなことに向かって真っ直ぐ突き進んできた舞さん。


今回は、そんな舞さんに南アフリカの魅力や生活の様子、舞さんの仕事や活動などをお話いただきました。





「看護師×サルベージシェフ」という、パラレルキャリア


幼い頃の夢が「歌って踊れるナース」だった舞さんは、学校を卒業後、夢を叶えて東京で11年間看護師として働きました。同時に、食べることや作ることも大好きだったため、看護師として働きながら「醸造発酵文化」も学んだそう。


その後、ひょんなことからサルベージ・パーティーを手伝うようになり、サルベージクッキングに出合います。


サルベージクッキングとは、フードロスを楽しく解決する取り組みのこと。私たちはついついレシピ通りに作ることに一生懸命になってしまいますが、稀にしか使わない調味料や安さを求めて大量に買った食材などの多くは、なかなか使い切ることができません。


フードロスに貢献するだけでなく、楽しく美味しい料理を作れるサルベージの魅力に触れ、舞さんは遂に、「サルベージクッキング公認シェフ」にまでなったのです。


「例えば、麻婆豆腐を作ろうとするときに甜面醤(テンメンジャン)がなければできないと思ってしまいますが、甜面醤の成分をみたら味噌と砂糖、醤油などでできている。お家にある調味料で十分代用できるんです。だから、レシピにとらわれず、自由に楽しく美味しくできたら良いと思っています」


ちょうどその頃、政府が環境問題に取り組み始め、世間も関心をもち始めたことも後押しし、舞さんのもとにはサルベージクッキングシェフとしての仕事が舞い込むように。


舞さんは、看護師として働きながら、シェフとして雑誌や新聞の取材を受けたり、レギュラーとしてテレビ番組に出演したり、料理教室を主宰したりと目まぐるしくも充実した日々を送っていました。


料理している写真
大好きな料理が仕事に。

青天の霹靂!国際結婚からの南アフリカへ移住


サルベージクッキングシェフとしての活動が軌道にのり、これからの人生がますます面白くなりそうだと感じていた矢先、舞さんは南アフリカ出身の現在の旦那さんと出会います。


「結婚願望が強い方ではなかったのですが、この先彼のような人に出会えないかもしれないと思ったと同時に、彼とならどこへ行っても乗り越えていけるという直感がありました」


留学経験や語学学校に通ったことのない舞さん。彼が話す日本語と、英語が得意な友人の通訳でコミュニケーションをとり、あっという間に結婚することに。そして、南アフリカへ引っ越すことになったのです。


国際結婚と遠いアフリカへの移住に、ご家族は驚いたのだそう。積み上げてきたキャリアを手放すことは、舞さん自身はもちろん、ご家族にとっても不安な要素でした。


30代後半にさしかかろうとしていた当時、自分で決めた選択とはいえ、大好きな家族や友人と離れ、文化や歴史が異なる国へ行くことに対して、言い表しようのない感情に押し潰されそうになることもあったそう。


「そんな時、友人がかけてくれた『元気に楽しく暮らせたら十分。何も持たずに行ったら良いよ。あなたなら、きっとそこにしかないものに巡り合えるから』という言葉に支えられました」


2017年。舞さんは、不安や迷いも抱えながらも友人の言葉に後押しされ、南アフリカへと飛び立ちます。



旦那さんとの写真
運命的な出会いを果たした旦那様と


意外と知らない、南アフリカ共和国


アフリカ大陸の最南端に位置する、南アフリカ。公用語は11言語もありますが、実際には多くの人が英語を使っています。外務省のデータによると、在留日本人数は1,505人(2017年)。その数は、コロナ禍により減ってきているそうです。


舞さんが初めて南アフリカを訪れたのは、結婚前。彼の家族に会いに行った時のことです。


「想像とは全く違って驚きました。高層ビルやショッピングモールが立ち並び、高速道路も5車線や6車線は当たり前。支払いや送金は銀行のアプリを使えば簡単にできるなど、とても便利で近代的なんです」


南アフリカはイギリスの植民地だったため、食などはイギリス文化を色濃く反映しています。また、街から車を2時間走らせるだけで、野生動物が憩う大自然に行けるのも大きな魅力。日本の避暑地も自然いっぱいですが、比べものにならないほどです。


一方で、水道も通っていないトタン屋根の貧困地区もあり、貧富の差は大きいのだそう。目立つと犯罪に巻き込まれる可能性もあるため、舞さんは外出する際、アクセサリーや時計は身につけず、華美なファッションは避けるようにしています。ハンドバッグも持たず、携帯とクレジットカード、もしもの場合に取られてもいい程度の現金など、必要最低限のものだけをもって出かけているそうです。


南アフリカの自然
美しい大自然が広がります


南アフリカでのキャリアチェンジ


南アフリカで暮らし始めた舞さん。出発前に現地に住む日本人を紹介してもらったところ、南アフリカに着いてからわずか2週間で旅行代理店への就職が決まりました。


スムーズに職を得た舞さんですが、だからこその苦労もあったのだそう。特に言語の壁は大きく、オフィス内では英語しか使ってはいけないというルールがあったため、電話対応は緊張の連続でした。その他、看護師というバックグラウンドが葛藤のタネになったことも。


「看護師という職業はルールや規範を重んじるため、私の性格上、常に正解を求めてしまうところがあるんです。南アフリカの職場は、業績こそ求められるものの、ルールはないも同然。正解やルールを求めてしまう自分の意識を緩めなければならず、そのギャップが難しかったです」


その後、日本大使館の現地職員として領事部で働くことに。定年まで働き続ける人が多い大使館のスタッフは、ポストに空きが出るのは稀なこと。就きたくて就ける仕事ではなく、タイミングが大事だといいます。


現在、舞さんはパスポートや各種証明書を交付したり、有事の際の安否確認をしたりなど、南アフリカに住む日本人のサポートを行っています。職種は違えど、日本で培った仕事の基礎が活きていると実感する毎日です。


旅行代理店と日本大使館、どちらの就職も「タイミングが良かった」という舞さんですが、言葉も文化も異なる職場に飛び込むのは勇気がいること。「英語が話せないから」と諦めることなく、恐れずにチャレンジしたからこそ掴むことのできたチャンスに他なりません。


「何事も一歩目を踏み出すのは勇気がいるけど、一歩目さえスタートしてしまえば、二歩目、三歩目は自然と前に出ていくものです」



仲間との写真
南アフリカで出会った仲間と


家事はプロに任せて、自分の時間を大切に


何ごとも頑張りすぎてしまう舞さんは、旦那さんから見ると、常にせかせかして見えるのだそう。そんな時は、旦那さんが肩の力を抜くよう声をかけてくれます。


例えば、家事をこなすことに忙しくしている時。旦那さんは「家事はプロに任せて、その空いた時間を使ってリラックスしたり、新しいことを始めたりしたらどうだろう?」と提案してくれます。


南アフリカには、メイドさんに家事をお願いしている家庭が多くあります。そのため、家事や育児と仕事の両立はしやすい環境なのだそう。働く女性もたくさんいます。


「女性だから家事を頑張らなければいけないという考えはなく、自分はどういう生き方をしたいかというところに重きをおいている印象があります。家事をメイドさんにお願いすることで、自分のやりたいことに集中でき、人生がより豊かになるという循環があるように思います」


かつては、白人が有色人種を差別するアパルトヘイト政策がとられていたという歴史もある南アフリカ。人種はもちろん、性別についても平等の意識は高いそうです。


自然の写真
自然を満喫する時間は至福のひととき


南アフリカにあるもので楽しく日本食を!


遠い南アフリカで暮らし始め、新たなキャリアを歩んでいる舞さんですが、大好きな料理をやめたわけではありません。サルベージクッキングのマインドで、南アフリカの食材や調味料を使って料理を楽しんでいます。


「南アフリカでは、鶏は1羽丸ごと売られているのが普通なんです。以前は日本で売られているカットされた状態になるよう切ったり叩いたりしていましたが、今は丸鶏を活かした料理をするようになり、やっと日本の食文化にとらわれないようになりました」


舞さんのインスタグラムには、現地の食材を使った美味しそうな料理がずらりと並んでいます。


何でもすぐに手に入る日本と比べると、不便や手間がかかることもある南アフリカ生活。しかし、何事も工夫次第で乗り越えることができるのです。


「南アフリカに来て、時間をかけて一つのことを楽しむ心の豊かさを感じられるようになりました」



ケーキの写真
楽しく!美味しく!が料理のモットー

持っていないものを欲しがるのではなく、今あるものに目を向けること。今あるものを工夫して、存分に使う(力を発揮する)こと──サルベージクッキングの考え方は、決して料理だけに当てはまるものではありません。


舞さんは、興味や関心、好きなこと、ワクワクする気持ちなど、自分の中にある好奇心に素直に向き合い、語学力や海外経験がなくても、等身大の自分で新しい環境に飛び込み、南アフリカでの生活を充実させてきました。


持っているものに目を向けると、舞さんには、これまでに身につけてきた知識や経験、頼もしいパートナーや友人たちが大切な財産として輝きます。


これからどんな困難が訪れようと、きっとポジティブに乗り越えていくのでしょう。料理も海外での暮らしも工夫しながら楽しむ舞さんの、新しいチャレンジが楽しみです。





Thank you for reading this, and we are always here for you !


Women can fly.


Much love, xxx

Team WCF



※WCFメールマガジンではいち早くWCFの記事をご覧いただけます!

メールマガジンのご登録をcontact (下部)お願いいたします。









閲覧数:223回0件のコメント

最新記事

すべて表示

申し込む

提出していただきありがとうございます!

bottom of page