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  • 執筆者の写真WCF TEAM

THE WAY of Life in the USA

更新日:2022年7月13日

WOMENCANFLY.COの連載企画「THE WAY」では、毎月海外で暮らす女性を紹介しています。


今回紹介するのは、アメリカ合衆国東海岸ニューヨークで日本人向けの情報メディアを運営する古瀬麻衣子さんです。テレビ局の敏腕プロデューサーという安定したキャリアを手放し、2019年末にアメリカへ移住。思い描くキャリアに近づくべく、パートナーとの遠距離生活を選びました。渡米から会社経営、結婚、妊娠、そして海外での出産へ……。この2年で暮らしも気持ちもめまぐるしく変化した麻衣子さんに、たっぷりお話を伺いました!





コンプレックスだった田舎育ちが強みに


長崎県の西側に位置する五島列島で、三姉妹の長女として育った麻衣子さん。青い海に囲まれた緑豊かなこの島でのびのび成長したのかと思いきや、意外にも勝ち気な性格だったそう。人と同じことが嫌いで、自分らしさを大切にする少女でした。


「幼い頃、家族でディズニーランドに行ったときに、東京の子ども達を見て愕然としたことを覚えています。田舎で暮らす自分と違い、恵まれている環境で育つ都会の子ども達に嫉妬したんです」


信号機がたった2つしかないような島での生活で、唯一の楽しみはテレビを見ることだったそう。次第にエンタメの世界に憧れ、中学生のときには「テレビ局で働きたい」と強く思うようになりました。


目標が明確だった麻衣子さんは、東京の大学へ進学。学生時代には、テレビ局に入社したい一心で、社員のお話を聞きたいと、お台場冒険王の前でテレビ局社員を待ち伏せしたこともあったといいます。


しかし、就職活動は思うように進まず、数々のテレビ局を受けるも早々に落ちてしまいました。まわりには、都会や海外で育ち、恵まれたネットーワークをもっているライバル達の存在。田舎出身の自分には強みがないと、就活の失敗を環境のせいにしていた麻衣子さんに転機が訪れます。


「OB訪問で出会った方に、『君にしかないポイントをアピールすべき』と言われて目が覚めました」


娯楽が少ない田舎暮らしでは、テレビがスター。そんなテレビ業界にいつかは自分も身をおきたいと憧れた幼少期を振り返り、"田舎に生きたからこそ今の自分のある"と、ありのままの想いを伝えることに。面接ではみるみる言葉が溢れ出たのだそう。それが身を結び、見事テレビ朝日への入社が決まります。劣等感を感じていた、田舎育ちが強みになったのです。



雛祭りの写真
テレビが大好きだった幼少期。妹さんと一緒に。


念願かなってテレビ局でのキャリアをスタート


向上心の塊のような麻衣子さんは、テレビ局入社後、「一番、厳しいところへ行きたい!」と、もっとも体力的にきついと言われ、男性社会が色濃く残るバラエティ部門を希望します。


働いてみると、深夜・早朝・土日勤務も当たり前。そのため、バラエティ部門で働く女性は少なく、ロールモデルがいないと感じたそう。その中で、自身を「ドM体質」という麻衣子さんは、テレビ業界で10年以上死ぬ気で働きました。


「バラエティにいる女性が少なかったので、大事にしようと上司や同僚たちがサポートしてくれました」


女性の社会進出という言葉も珍しく、テレビ局での女性マネージャーは、まだまだ少ない時代。マネジメント層のほとんどが男性でしたが、会社の全面的なサポートと理解を得て、ADからディレクター、そしてプロデューサーへと順調にキャリアアップを実現していったのです。


プロデューサー職に就くと、制作会社の10歳以上年上のプロデューサーさえも自分が指示して動かさなければなりませんでしたが、そんな重圧をものともせず、むしろ、幼い頃に夢見た憧れの場所であるテレビ局での仕事は、さらに上を目指したい!成長したい!と麻衣子さんを前へ前へと突き動かしました。



タカアンドトシの二人との写真
テレビ局時代にタカアンドトシのお二人と。


「NYで社長やる気ある?」と突然のメッセージ


順調にキャリアを積み上げた麻衣子さんですが、テレビ局で働き始めて10年以上過ぎた頃、「このままでいいのだろうか?」と考えることが増えるようになりました。プロデューサーの仕事は、ディレクターなどのクリエイティブな専門職とは違い、あくまでマネージメント。これからの時代に戦っていけるスキルは伸びているのだろうか……と悩んでいたのです。


「当時、33歳。何か突破口になるものを見つけたく、とにかく人に相談していました」


そんな中、ニューヨークで起業した友人から、突然「NYで社長やる気ある?」という衝撃のメッセージが! まわりの人には「海外でやっていくって、そんなに甘くないよ」というアドバイスも受けましたが、何度も自分に問いかけた結果、渡米を決意。「ニューヨーク×経営」という、新たな自分のありたい姿を見つけると共に、大きな可能性を感じたのです。


そこからは、スーパー計画的かつスピーディに行動に移した麻衣子さん。転職のオファーを受けてから移住するまで、1年で準備を整えました。


「当時6年間交際していたパートナーとは、遠距離生活は続けるけれど、移住を機に結婚することになったんです」


また、妊娠や出産についてもパートナーと真剣に話し合い、「いつかは授かりたいけど、今じゃない」という結論に。そこで、受精卵を凍結することにしました。これから海外で挑戦する自分とパートナーにとって、今できる心のお守りともいえる自己投資でした。


そして、全ての準備を整えた麻衣子さんは、単身ニューヨークへ。旦那さんとの遠距離生活が始まりました。



シェアハウスの写真
NYではシェアハウスで暮らしています


サバイバルな海外生活の現実


アメリカへ渡り、ニューヨーク在住日本人向け情報メディア会社の代表になった麻衣子さん。社長という肩書きではありますが、社員が少ないため、経理や総務、事業計画まであらゆる仕事をしなければなりませんでした。


しかし、麻衣子さんはそこにやりがいを見い出し、ビジネスを考え出す自由を感じはじめました。ニューヨークという刺激的な街には、日本にいると出会えないような人とも出会うチャンスがあるのも魅力的でした。


「私の場合、現地に住む日本人の友人にとても助けてもらいました。日本とアメリカの常識は異なるので、『これってどうなってるのかな?』と思ったときにすぐに質問できて、解決できるかどうか。そこさえ乗り越えられたら、海外暮らしはさほど大変ではないと思います」


とはいえ、ニューヨークでの仕事には、安定などありません。競争社会のなかで常に戦わなければならず、そのなかで自分のやりたいことを実現していく必要があります。このサバイバル精神は、東京にいても身につかないもの。旅行でも感じられない感覚だといいます。

「アメリカでは、解雇が日常茶飯事です。そのため、雇用主も労働者も互いに緊張感がありますし、私も週末はネットワーキングのイベントに参加するなどして常にアップデートを図っています。日本の方が安定ではあるけれど、アメリカはステップアップのための転職のハードルが低いんです」


一方、女性を取り巻く環境はというと、アメリカと日本では大きく変わらないと感じているのだそう。ただ、アメリカにはその格差を感じて声を上げる人が多く、団体や政治家も女性活躍やジェンダー平等を是正するために活動している人が多いので、今後女性の社会進出はさらに日本と海外で大きな差が生まれると感じています。



キャロライン・ケネディさんと商工会のGalaで
キャロライン・ケネディさんと商工会のGalaで。


出産でキャリアが中断?


日本には、管理職や経営者、起業する女性がまだまだ多くありません。一方、ニューヨークには、ワーク・ライフ・バランスを上手に保ち、キャリアも家庭も諦めず、年齢にとらわれることなく活躍しているニューヨーカーの女性たちがたくさんいます。また、そんな働く女性を支援するスタートアップ企業もニューヨークにはたくさん存在するのです。


海外移住後も不安で押し潰されそうなときもありましたが、ニューヨークという街で生き生きと活躍する女性たちに心を奮い立たされ、モチベーションを高めています。

現状に言い訳せず、常に自信をもっている彼女たちを見ていると、「子どもが生まれたら、キャリアを諦めないといけない」という考えが、幻想のようにさえ感じてしまいます。


ニューヨークで会社経営という挑戦に飛び込んで、2年がたった頃。麻衣子さんは、現実的に妊娠や出産を考えるように。そこで、凍結していた受精卵による妊娠にトライすることを決意しました。

ニューヨークの女性たちを見て、女性のキャリアが出産で中断されることはないと体現できる自信が生まれたのです。


現在、妊娠7ヶ月目の麻衣子さん。安定期に入り、再び単身でニューヨークに戻りました。子どもの将来のことも考え、海外で出産を予定しています。



ニューヨークの写真
ニューヨークには輝く女性がたくさん


ニューヨークでの新たな挑戦


小さな頃から目標を決めたら、自信をもって必ずやり抜いてきた麻衣子さんは、選択を迫られたとき、「自分が輝けるか」という基準で選んできたのだそう。周囲にかける迷惑や安定などはひとまず横におき、目的を明確化し、絶対になんとかなるという強い気持ちで行動に移してきました。


日本には、女性のキャリアを支援するサポートがまだまだ不足しているように感じているそうです。


今、麻衣子さんのもとには、キャリアについて悩む女性からたくさんの相談が寄せられています。自分が経験したことと同じ悩みを抱える人の後押しをしたいと、ニューヨークのメディアの仕事のかたわら、オンラインサロンをスタートし、女性のキャリア育成やコーチングを始めました。


「日本人女性がキャリアを築くには、『自信』が必要です。ニューヨークの女性のようにその自信をもってほしいです」


ニューヨークでの出産も控えながら、「日本を代表する女性活躍推進リーダーになる」という、新たな目標ができました。


予想以上におもしろい、オリジナルのキャリアを歩んでいる麻衣子さん。先が読めないからこそ楽しいと前向きで、「挫折はいくらでもあるけれど、異常なくらい自分に自信があるので、挫折も肥料になっています」と笑って話してくれました。


大企業でのキャリアを手放し、他の誰でもない、自分のやりたいことに海外で挑戦する姿をみていると、自分を信じる気持ちは、力強く自分の人生を掴んでいくチャンスにつながっているのだと感じました。


日本と海外で遠距離婚しながら単身ニューヨークへ移住。外国人ルームメイトたちとシェアハウスに住みながら、会社経営もこなし、妊婦でもある麻衣子さんの話を伺うと、女性の働き方、家族の多様性が新しい時代になったと感じさせられました。




麻衣子さんの今後の活躍に目が離せません!



ニューヨークの写真
ニューヨークで新しい一歩を踏み出します!




古瀬麻衣子さんの活動は下記より



アメリカ拠点の在米日本人向け日本語情報サイト「Info Fresh Inc」代表。自身のオンラインサロンを2020年より主催。キャリアに対する悩みや海外進出に関する相談などのカウンセリングを行なっている。現在は東京とニューヨークの二拠点生活を実施中。

HP: http://meetandwomen.com
インスタグラム @maiko_ok_

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